歯周病治療
歯がなくなるのも理由があります
歯がなくなる理由の約半分は歯周病
歯がなくなる理由の一つに歯周病が挙げられます。なくなる理由の約半分を占めるので、大きく影響しているといっても過言ではありません。
歯周病は年齢が高くなるにつれ発症率が高くなるので、より一層拍車をかけます。
歯周病はどんな病気?
歯周病は歯ぐきが腫れたり、歯を支えている骨が溶けてしまい、最終的に歯が抜けてしまう病気です。
歯周病の原因は
歯周病の原因はプラークと呼ばれる歯垢です。歯の表面につくねばねばしたものが歯垢という細菌の塊です。
歯周病について
歯科疾患実態調査における歯周ポケット(4mm以上)保有者の割合は2005年から2011年にかけてやや減少しましたが、2016年は増加傾向が顕著です。そのため健康日本21(第二次)の中間評価では、歯周病の有病状況が悪化していると評価されています。しかしながら、2016年の調査で用いた調査方法は、診査方法が以前と同様であるものの、記録方法が異なることから、これが結果に影響した可能性が指摘されています。
以上のように歯周病の増減傾向には不確かな面があると言わざるを得ない状況にあります。しかし、見方を変えて近年「歯の喪失防止」が進んで歯の数が増えてきたという事実を踏まえますと、今までよりも歯周病に罹る歯の数も増えていることになります。このように割合だけでなく量的な面も加味しますと、歯周病が増加傾向にあるのは間違いないと考えられます。
歯周病が怖い理由
ほぼ気付かない
サイレント・ディジーズと呼ばれる歯周病はその名の通り痛みの症状がなく、気付いた時は症状がかなり進行している特徴があります。
痛みを感じて初めて治療に訪れたら、骨が半分溶けていた場合もあるので、定期的なメンテナンスが大事です。
失った歯は元に戻らない
歯周病で溶けてなくなった骨は戻せません。
「虫歯も治療できたから大丈夫」と考えている方がいらっしゃいますが、歯周病は治療しても元に戻せないため、原因を除去して骨が溶けない環境にすることが必須です。治療が遅れれば遅れるほど、大切な骨を失うことになります。
歯周病による悪影響
口臭がきつくなる
口内の歯周病が進むと、細菌がガスを発生します。そのガスが口臭の元になり、「口が臭い」環境に陥ります。
統計でも働き盛りである40代から50代に口臭があるとのデータが表示されており、エチケットの観点から予防しておきたい内容です。
歯ぐきが下がり、歯並びが悪くなる
歯周病が骨や周囲を溶かすため、歯ぐきが下がり歯が長く見える、歯がぐらぐら揺れ出っ歯になることが考えられます。
歯がなくなる
歯周病によって骨が溶け、歯が抜けます。歯が抜けると、残りの歯だけで噛み合わせを行うことになるので、残っている歯の負担が大きくなり抜けやすくなる悪循環になりがちです。
脳梗塞や心筋梗塞のリスクが上がる
口内にある歯周病菌が歯ぐきを通じて血管に入り、全身を循環することで、心臓や脳の血管を詰まらせる効果が生じます。血管が詰まることで脳梗塞や心筋梗塞のリスクが増える結果が公表されています。
誤嚥性肺炎の可能性が高まる
歯周病が進行することで口内に細菌が多い状態になり、食べ物と一緒に気管や肺に入ると、細菌の影響で肺炎になるリスクが高まります。寝たきりの場合は特に注意する必要があるので、口内を清潔に保ち続けるよう努めるのが大事です。
歯周病の対策をするには
歯科医院で歯周病の検査を受ける
歯周病は症状がなく自覚するのは難しい、もし自覚したとしても症状がだいぶ進行しているケースが多いので、「歯周病検査」をきっちり受けることが大事です。
専門である歯科医院で歯周病をチェックし、歯周病にならない環境を作ることが重要です。
歯磨きの磨き残しをチェックする
毎日の歯磨きをしっかり行っていても、磨き残しが存在します。歯周病で来院されている方は磨き残しの多いケースがよく見られます。人により磨き残しが存在する箇所は異なるので、自分の癖に応じた歯磨きの仕方を歯科医院で教えてもらいましょう。
歯周病治療を行う
歯科医院で歯石や歯垢(プラーク)をしっかり除去します。歯石や歯垢は毎日歯を磨いていても取りきることは難しいので、歯科医院の力を借りる必要があります。歯科医院での歯周病治療後は治療前と比較しても全く異なるので、ぜひお試しください。
歯周病の再発について
歯周病の高い再発率
一度治療をした歯周病は、その後何も行わないと数ヶ月から1年くらいで再発します。
時間が経つにつれ、口内状況は悪化し続けます。磨き残しは自分だけで取り除けないので、歯科医院でのメンテナンスが必須です。
一度溶けた骨は元に戻らないので、再発を防ぎ、今以上に骨が溶けないよう守り続けることが重要です。
メンテナンスを受けましょう
歯周病を防ぐメンテナンス
歯周病の再発を防ぐためにも、メンテナンスを継続的に実施しましょう。
せっかく歯周病の治療をしても、骨が溶けてからまた治療を行うのでは、歯が抜けやすい状態であることに変わりません。
メンテナンスを定期的に実施し、普段の歯磨きで取れない歯石や歯垢(プラーク)を取り除くことで歯の寿命をなるべく延ばし、自分の歯で美味しい食事を摂り続けられるよう、口内環境に配慮して歯を大切に守りましょう。